ルアーフィッシングを始めたはいいけれど、父や兄がやっていたわけではないので、知識も不十分で 小遣いも、これまた不十分という中一の私の思い出話です。
加瀬沼、そこは雷魚の聖地であった
1980年代前後の宮城県多賀城市周辺にすむ少年たちにとってのルアーフィッシングの対象魚といえば、最初に浮かぶのが雷魚でした。自転車で行ける範囲の釣り場はやはり加瀬沼。
わたしのルアーフィッシングでの最初にゲットした魚もみんなと同じ雷魚です。
ルアーで最初の1尾は無茶苦茶なタックルで!
春になり、釣り上手の同級生K君たち雷魚釣り師たちも加瀬沼で釣果を出し始めていました。
やっぱり、ご兄弟が雷魚釣りをしているというアドバンテージは大きくK君のお兄さんとその仲間たちは、その辺の大人よりも釣りが上手でカッコ良かったのです。
安物で文句あっか!
私のタックルといえば、スーパー塩釜ジャスコのなんでもコーナーで買った、聞いたことのないメーカーのルアー竿とクローズドフェイスリールのセット。
(雷魚にクローズドフェイスリールは今にして思えば無謀です。それも名無しメーカー品!)
ラインは『銀鱗』の5号(7号だったかなぁ)という無茶苦茶なタックル‼︎
メドウマウスだけが頼りでした
しかーし!私はこの頃新しいウェポンを調達したのです。
『ヘドン』の『メドウマウス』‼︎ネズミ型のルアーで、リップはついているものの浮力が大きく水面でウニョウニョと泳ぐトップウォータープラグです。このルアーに思い入れのある方も多いのではないでしょうか?
『釣りキチ三平』のイトウ釣りの話に出てくる『野ねずみ型ルアー』に憧れた少年はイチコロでした。
加瀬沼も夏には水面がリリーパッドに覆われます。
『メドウマウス』をリリーパッドの切れ目や間にキャストしてウニョウニョと巻いては止める。水草に引っかかったら、水草丸ごとごそっと回収するという釣りでした。
いつも長い長い水草がルアーと一緒にくっついてきます。それでもメドウマウスは、けっこう無くすことなく活躍してくれのです。
そして始めて釣った雷魚もこのルアーでした。というかこれしかなかったので必然的に!
釣った証拠が欲しかった!
いけない事ですが雷魚のヒレを少し切って持って帰りました。デジカメも“写ルンです”もない時代だったのでなんとか釣った証拠が欲しかったのです。
私の父は奥松島の、目の前が海という環境で育ったのですが、ルアーに否定的で、夢中の私に「ほいなもんで釣れるわけあんめっちゃ」と言い放っていたので、証拠を見せつけてやりたかったのです。
80年代初頭、加瀬沼での思い出です。
(この加瀬沼、二十数年ぶりに訪ねた際は、バスの生息する釣り場に変わっていました。)